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カテゴリ: データセンター

クラウドのプラットフォームとしてのデータセンタ

最近何かと話題のクラウドサービスですが、当然クラウドにもプラットフォームがあるわけで、それはまず間違いなくデータセンタに置かれるわけです。Googleは言うに及ばず、AmazonやSaleforceといったクラウドのメインプレイヤー達は自分で自前のデータセンタを建造する傾向にありますが、すでに報道されているようにAmazonは日本では大手通信事業者のデータセンタを利用するとしています。

私の会社も日本国内にデータセンタを持っており、その関係で上記のようなクラウドサービスを展開する外資企業のRFPを拝見する機会があったのですが、その会社の要求はなかなかにすざましいものでした。

まず、ラック数が半端じゃありません。クラウドサービスなので当たり前と言えば当たり前なんですが、多ければ数百本単位でのオーダーになります。そんなに借りるのならばなんでケージにしないの?と思ったりするのですが、なぜかRFPはラック単位でした。

次に、要求が非常に厳しいです。海外の会社にありがちですが、すべてを契約書に突っ込んでガチガチに固めようとするので、こちら側で通常利用している契約書が利用できるわけもなく、法務部門も巻き込んで相手方の要求に対応するため四苦八苦していました。当然ですが、文書類はすべて英語で要求されますし…

それでも、コスト意識は非常に高いです。ラック本数があるので契約額はそれなりに行くのですが、月数万円から数千円単位の費用でも容赦なく突っ込んできます。チリも積もれば…という言葉はありますが、国内企業からすれば考えられないレベルで突っ込んで議論が大紛糾します。

更に、量にモノを言わせてラック単価を値切ってきます。それはある意味当然の物言いではあるのですが、データセンタ事業者としては非常につらいです。クラウドのプラットフォームとして利用されるということは、通常のコロケーションとは異なりリモートハンドサービスなどの付加価値サービスをほとんど利用しないということを意味します。データセンタ事業者としてある意味稼ぎどころ(海外から来たDCマネージャは”oversubscribe”という表現を使っていましたが)が全く無いとなると、本当に薄利になってしまいます。その顧客を獲得するために費やされた稼働を考えると、実質赤字かも…というレベルです。

もともと、データセンタ事業者にとってコロケーションサービスそのものは高収益が望めません。
土地代や電源代などの固定費は必ず出てゆくし、ラック単価は叩き合いの世界なので、現実的に高い利益を得ることは不可能です。このため、どのデータセンタ事業者も大体リモートハンドや監視などの付加価値サービスで収益を得ようとするわけですが、クラウドのプラットフォームとして利用される場合はこれらのいずれもほとんどありません。となると、苦労してそのようなお客を取りに行く必要があるのか?という議論に当然なります。

個人的には、あらゆるお客様の要望に応えることができるような設備と運用体制を持ったデータセンタでそのようなお客様を受け入れるのはナンセンスで、そのようなお客様用を取りに行くのであれば、そのようなお客様向けのデータセンタを用意する必要があると思っています。求められている要件が明らかに違うのですから、当然ですよね。

一般的に言って、一度データセンタに入居したお客様はそれなりの期間はデータセンタを利用してくれます。ですから、どのようなお客を入れるのかは非常に重要です。利益率の高いお客を待つために開けておくのならば、ほとんど利益がなくとも埋めた方がいい、という考え方もありますが、最悪の場合未来永劫薄利でそのスペースを提供する義務が発生するという意味にもなります。後でいいお客様が見つかっても、データセンタ側からお客様に出て行けとは言えませんからね

このようなお客様をあえて取りに行くのか、データセンタを利用したソリューションを提供する会社としては、なかなかに難しい問題です…

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